2004年9月15日

出産のフシギ

むにを産む直前の私は長い入院生活で精神的にまいっていました。
出口のないトンネルに迷い込んだような、いつ終わるとも知れない入院生活に鬱々としていました。入院している他の人は当然ながら毎日赤ちゃんとの慌しくも充実した生活をし、多くの見舞い客と楽しげに話し、6日たつと幸せそうに退院していく。それなのに、私はお腹の中の子と一緒とはいえ、あと何週間この窮屈で寂しく退屈な生活を送らなければいけないのかと気持ちはどんどん沈んでいくばかり。しかもいつ感染という事態になるかもしれない、少量の出血も止まらないという状態。部屋(個室)やシャワー室で、何度も一人泣いていました。

 そんな入院中、私はずっとお腹の中にいる赤ちゃん(つまり、むに)には

 「あなたの準備ができたら出てくるんだよ。忘れ物ないようにね。でも、何かがあってどうしてもあぶなくなってきたらいつでも生まれてきていいからね」

 と言っていました。
 胎盤剥離で大量出血した日、陣痛も確かにきていたようです。ということは、むには必死で産まれようとしていたわけですよね。…胎盤剥離でお腹の中の環境がいよいよ危なくなるのを察して、産まれようとがんばっていたんじゃないかなぁと今では思ったりします。
 胎盤剥離であり、出血し続けたにもかかわらず、37週5日という正期産であり、かつ母子ともに無事だったことは本当に奇跡としか言いようが無いと思います。
 私がよく自分に言い聞かせていたように、むには生きてこの世に生まれるためにお腹の中に宿った子なんだと、改めて思いました。
 最悪の環境の中、よくがんばったとむにをほめてあげたいですネ!(^-^)